住宅

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

こんにちは、建築業界で10年以上働いているKatzeです。

前回に引き続き、道路斜線制限について解説します。

今回は道路斜線制限の緩和措置についての解説になるので、少し難しい話ではありますが、出来るだけわかりやすく解説させていただきます。

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セットバックによる緩和

道路斜線制限にはセットバックする事で距離の緩和を受けることが出来ます。

セットバックとは後退する事。

つまり道路面から離して建物を建築するという事です。

ではどういった緩和になるのでしょうか。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

例えばこのように道路境界線より①の距離だけ離れて建物が建っていた場合

この①の距離だけ反対側も伸ばした位置からのスタートにすることが出来ます。

図で見てみましょう。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

このようにセットバックした距離だけ逆部分も伸ばすことが出来ます。

これにより、高さは①の1.25倍もしくは1.5倍余裕が出来ることになります。

ではこの場合はどうなるでしょうか。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

①と②の距離が違います。

この場合は建築基準法のほとんどがそうなのですが、不利な方を適用します。

つまり、この場合は①の距離が適用されます。

同一敷地内に2以上の建築物があった場合でも同様に不利な方を基準として適用されます。

 

敷地の高低差による緩和

建物を建てる敷地が道路面より1m以上高い場合に適用される緩和です。

これは道路面より敷地が高いと、建築できるものの制限がきつくなりすぎる為に定められた緩和措置です。

道路との高低差が1m以上ある場合、下記の計算式が適用されます。

( H - 1m ) ÷ 2 = 緩和道路面の高さ

となります。

図でも確認してみましょう。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

このように高低差が2mある場合、基準の道路面の高さを+50cmして道路斜線を出すことが出来ます。

( 2m - 1m ) ÷ 2 = 0.5m となります。

逆に敷地が道路面から低い場合は、通常通り道路面の中心高さからの算定になります。

敷地が道路面より高い場合の緩和なので、低い場合は算出方法は変わりません。

 

水面緩和

この緩和は道路対面の敷地が公園や広場、川などであった場合に適用される緩和措置です。

これは公園や川だった場合、日照や通風に関して良好な環境を確保される事が緩和措置の理由です。

これは単純に対面の敷地である、公園や広場、川の逆側の境界線からの斜線となります。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

これはかなり大きな緩和となります。

またセットバックしている場合は更に緩和され、公園や広場、川の反対側の境界線から更にセットバック分の距離が加算された部分からの斜線となります。

 

1.25の地域の緩和措置

この緩和は前面道路が12m以上ある場合の緩和措置です。

1.25が適用される地域のうち、第一種、第二種低層住宅専用地域以外の地域が対象です。

この緩和措置は、対面の道路境界線から前面道路の1.25倍の位置から先は1.5を適用できるという緩和措置です。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

少し見にくいかもしれませんが、赤い線が道路斜線制限になります。

前面道路の1.25倍の部分までは1.25が適用され、その先は1.5が適用されます。

なので、前面道路の1.25倍の一から直角に1.5の線まで上がってから1.5の斜線になります。

その地点から勾配が変わるのではなく、道路境界線から登ってきた1.5の斜線に合流するのです。

これはセットバックした場合も適用されます。

しかし、セットバックする事により、逆に損をする事があります。

セットバックして下がった分①と対面側の道路境界線から緩和される分①’は「みなし道路」となる為、1.25緩和が出来ようされるまでの距離が伸びてしまいます。

例えば前面道路が12mだった場合

12m × 1.25 = 15m

敷地の3m入った部分から1.25緩和が適用されます。

しかし、セットバックで3mバックした場合みなし道路が18mになる為

(みなし道路12m + 3m + 3m = 18m)

18m × 1.25 = 22.5m

敷地から10.5m入った部分からしか1.25緩和が適用されません。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

このように赤斜線部分がセットバックする事によって不利になります。

この場合セットバックする前の方が高い建物を建てることが出来ます。

なのでこの場合はセットバック緩和を適用しない事で回避できます。

 

2道路緩和

これは複数の道路に接している場合に適用される緩和措置です。

幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離が、その前面道路の幅員の2倍以内かつ35m以内の範囲及び、その他の前面道路中心線からの水平距離が10mを超える範囲については、全ての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

とかなんとか書いていますがわかりづらいですね。

図で見ていきましょう。

まずこんな土地があったとします。

道路①は幅員11m、道路2は幅員9m

この場合、道路①が幅員最大の前面道路になります。

この道路①の2倍かつ、35m以内の範囲を表してみましょう。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

するとこのような範囲になります。

そしてその他の道路、つまり道路②の道路中心線から10mを超える範囲を表してみます。

するとこうなります。

ここで間違えてはいけないのが、道路中心から10mの範囲、ではなく10mを超える範囲である事。

それでは、さっきの範囲と合わせてみましょう。

すると、こういう範囲になります。

この斜線が入っている範囲は全て、幅員最大の前面道路の道路斜線が適用されます。

そして、斜線以外の範囲については通常通り、その面の前面道路の斜線となります。

道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】

立体にするとこんな感じですね。

少し見にくいですが、斜線の範囲外の部分はその面の前面道路の道路斜線なので、制限が厳しくなっています。

斜線部分は幅員最大の前面道路の道路斜線が適用されるので、緩和されています。

このように複数の道路に面している場合は、道路の幅員に応じて緩和措置がされます。

 

最後に

如何でしたでしょうか。

道路斜線は多くの緩和があり、また結構ややこしいものもあるので難しいですが、一度理解すれば簡単にわかるので、是非この機会に習得しておきましょう。

まぁここらへんは建築士の資格を取るような人が覚えるものなので、一般の方はスルーで大丈夫だと思います(笑)

自分で手を動かしながらやっていくことで覚えていけるので、資格取得を目指している方は頑張ってください!

 

今回は 道路斜線制限~緩和措置について~【徹底解説】 というテーマで解説しました。

御閲覧ありがとうございました。

 

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